今回は、これを読めば練習が楽しくなってしまうという魔法のような記事を書きました。
人間は、なぜやっているのか分からないことを、つまらないと感じます。この記事には練習の意味が書いてあるので、読み終わる頃には練習が楽しくなるでしょう。
自分も、この考え方を始めてからすぐにバスケのシュートが人並みに入るようになったので絶対に効果はあると思います。
(これは人工知能の理論を人間に置き換えて筆者が考えた記事です。)
練習って本当に意味あるの?
部活の練習ってだるくないですか。中学の頃ずっとそう思っていました。楽しくてシュート練習する人います?楽しくて壁打ちする人います?(いたらすごい) 何のためにやってるのかいまいちわからない。
これらの練習は、上の人にやれやれ言われてわけもわからずするもの。練習→上達のメカニズムは霧に包まれたままです。
考えてみてください。何でたくさんシュート練習をすれば球がカゴに入るようになるでしょうか? なんでバットを1万回振ればヒットを打ちやすくなるのですか?
うまく説明できない人は、本当に効果があるのかわからないことをやり続ける、いわゆる脳筋なのでは?(自分も含めて)
だから、わけもわからなくやり続けてる練習が楽しいなんて、よっぽど変なやつ以外いないです」(と私は思います)。
この記事は、「何で練習なんかするの?そんなことより試合したい」と言う方々に贈る、「なぜ練習は有用なのか」という記事です。
練習は結果を見て体の動きを変える繰り返し
そんなこと言われてもピンとこないですよね? 少し難しい概念ですが、すごく有用な考え方なのでぜひよく読んで欲しいです。
テニスのサーブを例にして説明しましょう。
まず、「こう言うサーブを打ちたい」という理想像が最初にあります。たとえは、「この辺にこの角度でこのくらいの速さでサーブしたい」というような目標です。これがあってはじめて練習が成り立ちます。
そして、自分のサーブをそれに近づけようとします。このプロセスが練習です。
具体的には、練習とは、以下の繰り返しです。
- サーブする。(実行)
- 球の位置、角度、速さなどの結果を目で見る。(結果の計測)
- 目標との差を脳内で計算する。(目標と結果の差分を取る)
- 目標と結果の差を埋めるためには体の動かし方をどのように変えればいいかを考える。(差分を埋めるための動作の変更を考える)
- 1に戻る。
1〜5のプロセスを渡り繰り返すことで体の動きが改善し、上達します。
フローチャートにするとこうなります。
このように、練習とは「目標と結果のズレを小さくする行為」です。結果を見て行動を変える、ということが重要なポイントです。
どうやって目標との差を埋める?
練習がどう言うプロセスかはわかりましたね。ただ、まだ説明していないことがあります。
最後のズレを減らすためにどう運動を変えるか?と言う部分です。
それには複数のやり方があります。
一個ずつの要素に着目して順番に直していく
テニスのサーブなら、サーブを構成する要素には、足の位置・腕の振り方・重心移動・ラケットの持ち方など、たくさんの種類があります。
自分のサーブを直していく際、一気にそれらの要素を直すのではなく、一つづつの要素に分割して、それぞれを順番に直していくと言うものです。
足の位置など、それぞれの部分に集中できるので、上達が早いと言うメリットがあります。
一方、足の位置を直しても腕を直すとまた足の位置がダメになってしまうというような、複合的な問題に対してなかなか対処できない場合があると言うデメリットがあります。
条件を固定して直していく
一個ずつの単体の要素に分割するのではなく、要素ごとの相互作用に注目して直していく方法です。
具体的な方法は簡単です。
「足の位置をこの位置に固定した状態」をキープして「腕の振り方」を直せばよいです。
ポイントは、先ほどでは「腕の振り方」を直す時は「腕の振り方」だけに着目しましたが、今度は足の位置をいい状態に固定した場合の「腕の振り方」を直します。
このやり方には複合動作に関する問題が解決できると言うメリットがあります。
一方、二つ以上の体の動きに着目するので、どう体の動きを改善すればよいかがわかりにくくなるというデメリットもあります。
確率的勾配降下法
毎回違う要素を直していく方法です。今回は足の位置、次は腕の振り方、その次は重心移動を・・・など、毎回直す要素を変えて、全体的に少しづつ直していくと言うやり方です。
数学的には効果的ですが、難しい方法です。
数学的に考えると、上の図のように上達します。横軸は回数、縦軸が上達度(小さい方が高い)
この方法をとると、ほぼ最短経路で体の動きを目標に近づけることができます。しかし、毎回注目する体の位置が異なっていて、前に直した部分が気づかぬうちに元に戻ってしまいがちというデメリットがあります。
それを補完するアイテムとして鏡がありますが、効果は限定的でしょう。
最急降下法
全部の要素を一気に一直線に直していく方法です。おそらくですが何も意識しないで練習するとこの方法になると思います。数学的にももっとも効果的ですが、一番難しい方法です。
具体的には、足の位置・腕の振り方・重心移動・ラケットの持ち方などの様々な要素を一気に少しずつ直していくやり方です。
イメージとしては頂上をめがけて一直線に山を駆け上がっていくものです。
この方法をとると、最短経路で体の動きを目標に近づけることができます。しかし、自分の体の動きがどう目標とズレているのか把握するのが極端に難しくなります。
しかし、感覚的なセンスに長けた人なら、自然とこのやり方で練習しています。自分がいまそれが可能な状態なのか、毎回体に聞いてみると良いかも知れません。俗にいうゾーンに入っている場合など、これが可能なのかも知れません(その辺はわかりませんが)。
感覚という得体の知れないものを駆使して練習できる人もいる
今まで理論立てて練習というものを解剖してきました。しかし、この動作は大方脳内で自動的に行われることが多いです。
そもそも人間の脳みそはそのようにできています。
目で見た情報を元に体を動かし、その動きががやりたかったこととズレていたら、神経細胞の組み方や筋肉量を変えて動きを実現できるように体を変えていきます。
従って、感覚だけを駆使してもすぐに上達する人は当然います。これを生まれ持ったセンスや才能というのかも知れません。
しかしそうでない人も多いと思うので、今まで話してきた練習の具体的なプロセスを意識してやってみると良いと思います。
学習能力とフィジカルの関係
運動は苦手でもゲームは得意、という人は多いと思います。この事実は、重要なことを示唆しています。
それは、運動が不得意な人でも運動の学習能力は持っているということです。
ゲームの場合、練習において使うのは手だけです。ゲームを「手だけを使った運動」と捉えると、それをうまくなるということは「運動が上達した」ということになります。
よって、運動は苦手だがゲームは得意という人も運動の学習能力はあるので、スポーツが苦手なのは脳みそ側の問題ではないことが明らかになります。
すると、問題は「脳と体をつなぐ神経細胞」か「筋肉」などの体の組織あることがわかります。幸いにもどちらの組織も筋トレなどにより強化できるので、鍛えることで練習の効果を上げることができます。
また別な捉え方をすると、ゲームが得意な人は楽器なども容易に得意になれるということです。無理やりフィジカルを鍛えるのではなく、自分の得意になりやすそうな分野で戦ってみるのもアリかも知れませんね。
まとめ
これまで長々と練習とは?について書いてきました。ぜひあなたも練習の際に、このことを頭に入れおいて、「練習の意味」を理解して取り組み、イヤイヤやるのでは得られない効果を得てみてください!
0コメント