なぜ世界のニュースのBGMを聴き比べるか?
ニュースというのは、どこの国でも必ず放映される世界共通の番組である。したがって、流れている音楽を比較すれば、同じ条件下での国ごとの劇伴音楽(BGM)の特徴を比較できる。
今回調べて、国ごとに個性的な側面や、ある程度共通している部分も見えてきた。ぜひ楽しんでいただきたい。
アジア
韓国 SBS
エレクトロなリズム(特にところどころに現れるリバーブたっぷりのスネア)に特徴がある。コード感は強めで、どんどん上に転調していく。
中国:CCTV
この動画、いろんな国用にアレンジされたバージョンが入っているので面白い。パーカッションが多いのが特徴。
モロッコ:Medi 1 TV
4分の3拍子となっているのが最大の特徴。他の国ではイントロはコード感で掴むものが多いが、ここは主にサウンドで掴んでいる。
タイ:TheVoiceNEWS
ナレーションが入ってから音がぶつかってる気がする。
ヨーロッパ
イギリス:BBC News 2018
言わずもがなの(?)とても有名なBGM。
構成
IN
時報のピッピッピッの音に加えて、トランス系のかなりステレオディレイの効いたベースラインから始まる。よく聞き取れないがディケイタイムやフィルターをオートメーションしてる気がする。
シンバルとでかい太鼓にリバーブを噛ませまくった音が盛り上げる。
1 期待させる部分(0:24~)
シンセベル系の、ベースラインを半分の速度にしたリフが入り、2小節後に4つ打ちのキックが入る。キックは、最初は2・4拍にアクセント。盛り上がるとハイハットが裏に入り、キックのアクセントが1・3拍に移り、音色もハイが多いのに変わる。基本的にこの二つのキックを使い分けていく。
ストリングスが4小節目からのつながりを煽ったりするフレーズが入って、冷たい雰囲気のパッドが流れたりする。ベルも倍速したりして変化させていく。
2 展開部(2:32~)
ベル系のシンセのリフが消える。展開開始。
突然のコードチェンジが始まる
それを盛り上げるため、ストリングスの白玉やサイドチェインコンプの単音シンセが入る。
転調が入ると金管楽器がツボを押さえて展開感を煽る。そこはかとなくシンセやハイハットで16部に移行。シンセベル系また復活。再現部(ちゃんとデジャブする)。
最後はメジャー解決の展開感を出すストリングスのラインと場を盛り上げるストリングスのスタッカートフレーズ。
最後はパーカッションのジャーンで終わる。
ドイツ:ターゲスシャウ
ライヒ的なミニマル要素があり、なおかつ緊張感もある。
フランス:France2
こちらは始まりが素敵。コントラバスはずっとほぼ同じベースライン。だが、拍子がコロコロ変わるためとらえどころがなく、そこに緊張感が生まれている。
ロシア:RBK
調性が強調された音楽となっている。繰り返される4小説のコード進行の上で、アレンジの抜き差しが行われ、変化に富んでいる。
スペイン:Antena 3
太鼓系のパーカッションで緊張感を出すのは欧米圏のおきまりのようだ。かなりコード感は強め。4小節目にメジャーを持ってきて展開感を出してる。
アメリカ
MSNBC
クリーンギターの使い方が他のニュースでは見られなく、とても個性的。アメリカ的なカントリーウエスタン的な要素もありつつ、リベラル的な雰囲気を漂わせるコード感もある。
FOX NEWS: Hannity
4小節の繰り返しが基本。保守派で人気のFOX NEWS、とにかくかっこいいを前面に打ち出してる。
日本
プライムニュース
News Zero
日本のBGMは特徴的なものが多い気がする。
全体的な特徴
海外のニュースでは下のようなリズムパターンが多い。バリエーションとして少し間引かれていたりするものもある。
おそらくだがBBCのニュースのテーマの完成度が高すぎて皆あの曲にひきづられてこのようなリズムの曲が氾濫しているのだろう。
構成にも特徴があって、何かしらの強いメロディーがハモリで鳴って、そのあとに通常のリズムに切り替わるものが多い。最初に番組タイトルが表示され、そのあとにニュースの内容が話されるので当然かもしれない。
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